体が「つる」= 筋肉が異常な収縮を起こす
夜寝ている時や、座っていて体勢を変える時などに「こむら返り」が起こってしまうことありませんか?
そもそも筋肉が突然つるのはなぜ?
つりは、筋肉を吊り橋のように支える「腱」に組み込まれたセンサーの誤作動によって起こると考えられています。
筋肉は、伸びたり縮んだりして姿勢を支えたり体を動かしたりしています。
その際、筋肉が損傷しないように極度な伸び縮みをセーブするセンサーのように、筋肉と腱の境目にある「腱紡錘(けんぼうすい)」という組織が働きます。この働きが何らかの理由で鈍ると、けいれんが生じてつりが起こると考えられています。
センサーが誤作動を起こすのはなぜ?
「マグネシウム」「カルシウム」「ナトリウム」「カリウム」など血液や細胞内に存在するミネラルは、神経の伝達や筋肉の収縮に関わっています。
加齢や運動不足による筋肉量の低下、激しい運動による筋肉疲労、脱水、冷えによる血行不良などによってこれらのバランスが崩れると、神経伝達がスムーズにいかなくなりセンサーの誤作動を引き起こすと考えられるのです。
特に暑い時期に足がつる、という方が多くいらっしゃいます。
脚は重力に逆らって立つ・歩くという動きで酷使するうえ、心臓から遠いのでむくみや血行不良が起きやすいです。
そこに加え、夏はたくさん汗をかくことによる塩分やミネラル不足による筋肉疲労を起こしたり、冷房による筋肉の冷えなどの要因が体のつりを起こしやすくすると考えられます。
特によくつるのが「腓腹筋(ひふくきん)」というふくらはぎの筋肉です。また、腓腹筋より深部にある「ヒラメ筋」は足首の関節の動きのみにかかわっているため、スポーツ選手や長時間の立ち仕事やよく歩く人、ウォーキングやジョギングをする人などがつりやすい部分です。
==就寝前のお勧めセルフケア==
寝る前に以下のケアをやっておくと効果的です。
1, 水分を摂る・・・就寝前にコップ1杯の水を飲む。
2, ふくらはぎをマッサージする・・・ふくらはぎをほぐして疲労物質の排出と血行を促進。
3, 体を温める・・・暑い夏でも冷房で筋肉が冷えています。油断せず、入浴時はなるべく湯船に浸かるようにしましょう。
つりがひどくなると睡眠不足になったり、外出やスポーツを思い通りに楽しめなくなったりしてしまうことも。「一過性のものだから我慢すればいい」と見過ごさず、水分やミネラル補給を心がけ、つり対策を行いましょう。