先週から起立性調節障害(OD)についてお伝えしています。前回はODがどのような症状なのか、当院でどのような施術で対応するのかを①メンタル面からお伝えいたしました。
本日は②インナー(栄養、カラダに入るものを変える)の視点からの根本治療についてお伝えしていきます。
朝起きた時にだるい、やる気が出ないという症状がある方は甘いものを好む方が多いです。なぜかというと、糖質は手っ取り早く脳のエネルギーになるからです。しかし甘いものばかり過度に摂取すると、エネルギーが低下→血糖が下がる→血糖を上げるために甘いものが欲しくなる→糖質摂取→血糖値が急上昇→下げるために膵臓からインスリンが分泌される→膵臓に負担→腸の壁を洗う消化液である膵液の分泌低下→腸内環境悪化→肝臓に負担→背中の張り、猫背・・・という循環が出来上がってしまいます。
そのため、ODを改善するために最も大切なのが血糖コントロールとなります。甘いものを摂り続けると、上記のサイクルから抜け出すことが出来ず、いつになっても症状が改善しません。なので、食べ物を変えて内臓の負担を減らす必要があります。
では「甘いものが欲しくなったらどうすればいいか?」
ポイントは膵臓に負担がかからないように緩やかに血糖値を上げていく食べ物を食べることです。フルーツ、ゼリー、ヨーグルト、ナッツ類。これらの食品はブドウ糖を100としたGI値(グリセミック指数)という値が低い食品になります。GI値とは、食品ごとの血糖値の上昇度合いを表す数値です。低GI値の食品を摂ることで急激な血糖値上昇を抑え、膵臓から出るインスリンの分泌を緩やかにすることができます。
また、この疾患の子供は身長が低く体重が軽い子が多いです。これは副腎が疲労してコルチゾールという成長ホルモンの分泌が低下している為と言われています。副腎は、尿を生成する腎臓の上にある臓器で、コルチゾールの他にアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、アルドステロン、アンドロゲンというホルモンを分泌します。
1,アドレナリン、ノルアドレナリン血圧をコントロールしたり、インスリンによって血糖値が下がった時に上昇させる働きがあるため、糖分を摂りすぎると膵臓、副腎が疲労する。緊急のストレスに対応する役割もある。
2,ドーパミンやる気や快楽などに関わってくるホルモンで、ドーパミン分泌が減少することで症状が発症するため、この疾患にとって重要な組織。
3,アルドステロンミネラル濃度調整。血液、体液のph調整。
4,コルチゾール副腎の中で最も重要なホルモン。
糖新生、脂肪の動員、たんぱく質代謝、抗炎症、抗アレルギーなどの免疫作用、骨代謝、胃液の分泌促進、長期的な心的ストレスに対抗する。
また、このホルモンは「天然のステロイドホルモン」と呼ばれ、アレルギーや病気を治す役割もある。
5,アンドロゲン腎の尿細管に作用して、ナトリウムの再吸収、水分の保持、カリウム・水素イオンの排出などを促進させる。
現代の環境要因から副腎が弱りストレスに対抗できなくなった結果、起立性調節障害をはじめアトピー、喘息、花粉症などアレルギー症状が出るという流れになってきているのです。
ODの早期改善には、副腎疲労を改善することが大きなカギとなってきます。
そのためには、②インナー面の考えから、カラダに入るものを変えることが重要です。食べ物、飲み物だけでなく空気や、直接肌に触れる日用品(衣類、化粧品、生理用品など)の素材に細胞がつくられカラダが出来ています。これらを全てカラダに入るものと考えてください。
当院では、それぞれのホルモンを正常に働かせるための分子栄養学に基づいた栄養指導を行っています。食事やサプリメントなど、様々な指導・アドバイスをしますので、インナーからカラダを変えたい方、病院で治療しているがなかなか改善しないという方は、ぜひ一度ご相談ください。