今年は気候の影響で桜を長く楽しめています。しかし寒暖差が大きく、不安定な天気が続きますね。こういう時は自律神経が乱れて様々な症状を訴え来院される方が増えています。
先日、朝起きられなくて小学校に行けないというお子さんが来院されました。病院で一ヶ月半入院して、精密検査で「起立性調節障害(OD)」と診断され、昨年度の登校日数は1/3。「どうしたらいいか分からない・・・」とお父様から相談を受け来院に至りました。
ODとは、自律神経系の異常で循環器系の調節がうまくいかなくなる疾患です。立ち上がった時に血圧が低下したり、心拍数が上がり過ぎたり、調節に時間がかかりすぎたりします。
この症状は春から夏の時期に多くみられ、第二次成長期である小学校高学年~中学生に発症します。大人でも発症することがあり、仕事などに支障が出てしまいます。
下記のチェック項目で5つ以上該当した場合、ODの可能性があります。
□朝起きるのがつらく、午前中は調子が悪い
□立ちくらみやめまい
□動悸、息切れ
□顔色がよくない(青白い)
□熟睡できず、朝起きても疲れが取れない
□甘いものや塩辛いものを好む
□元気が出ない、だるい
□頭痛、腹痛
□ストレスに対抗できない、八つ当たりしてしまう
□風邪になっても治りにくい
□気分が鬱っぽい
□人生が楽しくない
□性欲がない
□月経前症候群が悪化した
□集中力、記憶力が落ちた
□甘いものを食べると元気になるがその後だるくなる
□些細な事でキレやすい
□午後になると元気になってくる
当院では、この疾患に対し大きく分けて、①メンタル(精神状態、考え方)、②インナー(栄養、体に入るものを変える)、③アウター(体液の処理能力:体の機能を上げる、ホルモン調整)の3つの視点から根本改善を行っています。
本日は①メンタル(精神状態、考え方)についてお伝えしてます。
お子さんが発症した場合は特に本人が気付かないストレスを抱えていることが多いです。子供だからと言って抱えている悩みの大きさは大人と変わりません。
・学校でいじめはないか? ・クラスの人間関係は? ・先生との関係 ・親との関係
・家庭内に問題はないか? ・塾、習い事などで悩んでいることはないか?
・炎症による内臓ストレス ・過度な運動によるストレス ・食事(糖質の過剰摂取など)
・スマホ、タブレット、ハイブリッドカーによる電磁波ストレス
また、この症状の患者様は血圧循環が悪く代謝機能も低下しているため、身体全体の筋肉が非常に硬くなっているのが特徴です。これは自律神経の乱れから、血管や身体の各器官を緊張させる交感神経が働き過ぎているためで、起床時の体調不良や動悸、疲れやすい、食欲不振などが起こりやすいのも自律神経が影響しています。
問診後の身体の検査でその状態がどれほどのものかを確認し、鍼灸治療、内臓・頭蓋調整を行い自律神経を整えます。交感神経と副交感神経のバランスが均衡になれば、気持ちが軽くなって夜ぐっすり眠れるだけでなく、内臓機能が正常に働くようになり、それまでの症状は軽減します。
先日来院された小学生は、2回の治療後の新学期初日、朝しっかり起きて元気に登校できたそうです。
以上が①メンタルに対する治療方針です。次回は②インナーについてお伝えしていきます。