関東地方の梅雨入りも間近となってきて、なんとなく気分がウツウツしますね。憂うつ、身体が重だるい、やる気が出ない、気持ちが沈むなどの心身の不調を訴える方が増えてきました。
ゴールデンウィークなどの長期休み後の「5月病」はよく聞くと思いますが、最近では6月にも同じような症状が出る人が増えており、「6月病」と呼ばれ問題になっています。この6月病は特に新社会人の方に多く現れています。『新たな環境への適応不全』『人間関係が円滑に築けない』『新しい環境へ入る前に描いていた理想と現実とのギャップから生じる悩み』などが原因として挙げられます。
新人研修期間を長く取る企業が増えたことで、一緒に学んでいた同期社員と離れて正式に配属された現場でまたイチから実務をこなすようになる時期。ベテラン社員の方でも、仕事のIT化・専門化などによる様々な変化にようやく慣れる時期である6月に、溜まった疲れやストレスが心身の症状となって表れるのではないかと言われています。6月は祝日が無く、さらに梅雨に入り気温や気圧が不安定でジメジメした気候も心身のダルさの要因になるのではないでしょうか。
6月病は正式な病名ではなく、一般的に「適応障害」とされ、新しい環境に適応できないことがストレスとなり、情緒面や行動面に大きな影響を及ぼす症状で、情緒不安や神経過敏など身体の不調が現れます。
元気だった人が最近「笑わなくなった」「無表情になった」「あいさつをしなくなった」「突然泣きだす」「食事に誘っても断るようになった」といった様子がみられるときは6月病を疑ってください。
■6月病チェック!!
◆やる気が出なくて、やるべきことを先延ばしにする
◆気持ちが沈んで、楽しいことがないと思う
◆気持ちが落ち着かない
◆イライラして怒りっぽくなる
◆先々のことを考えると不安や焦りを感じる
◆体がだる重く、疲れが取れない
◆心臓がドキドキする、息苦しい、めまいがする
◆頭がずっしり重く感じる、ズキズキ痛む
◆なかなか寝付けない。 何度も目が覚める
◆食欲が湧かず食事がおいしく感じられない
半分以上当てはまった方は要注意!!
疲れやストレスで一時的にこういった症状がでることもありますが、症状が2週間以上続くようなら6月病の可能性があります。
6月病になりやすいのは、日頃からついつい頑張り過ぎてしまう人や、真面目で自分を抑え込む人に多い、という共通点が指摘されています。こうした人が6月病になると、やる気がない自分を責めたり、自分はダメだと落ち込んだりしがちですが、それはさらに自分を追い込むことになります。6月病の自覚があったら絶対に自分を責めず、少しペースを落として休む時にはしっかり休むようにしましょう。 また6月病の場合、休みの日は気分が楽になりますが、常に憂うつ気分で何も楽しめない状態が続く場合は「うつ病」の可能性があります。6月病は急性疾患で季節や環境の変化や、ストレス要因から離れると改善しますが、うつ病は慢性疾患です。6月病が長引きうつ病に移行してしまうこともあるので注意が必要です。
■改善ポイントは幸せホルモン「セロトニン」
神経伝達物質「セロトニン」はご存知ですか?心身の安定や心の安らぎなどに関与することから『幸せホルモン』とも呼ばれる「セロトニン」が不足すると、うつ状態に陥りやすいと言われています。
6月病の予防対策として、セロトニン分泌を増やす生活習慣を身に付けましょう!
(1)食事を見直す セロトニンを作り出す材料となる必須アミノ酸である【トリプトファン】は体内で生成出来ないので食べ物から摂らなければいけません。セロトニンはたんぱく質が豊富な食材に含まれているので、三食きちんと摂り、特に良質なたんぱく質(大豆製品、乳製品、穀類、魚、肉)を積極的に摂りましょう。
(2)体を動かす 有酸素運動をすることでセロトニンを活性化させることができます。ジョギングやウォーキングなど、リズミカルな運動がオススメです。
(3)しっかり休む 休日は仕事のことは忘れ、意識的にオンオフの切り替えをしましょう。自分の趣味など好きなことに集中して過ごすのも良いでしょう。ただし、疲れが溜まっているときに予定を詰め込みすぎるのはNG。セロトニンを増やすには睡眠も大切なので、5~8時間は睡眠時間を確保し疲れを取るように意識しましょう。
当院では自律神経やホルモンバランスを整える頭蓋・内臓治療、鍼灸治療も行なっています。セルフケアでも改善されないとお困りの方は是非一度ご相談ください。