5月に入ってから熱中症で搬送される方のニュースがチラホラ聞こえてきました。
これから気温が高くなるこの季節、カラダだけでなく脳も熱を持つことをご存知ですか?
脳に与える影響は気温だけでなく、仕事や勉強で集中して頭を使うことや過度なストレスで脳が「オーバーヒート」を起こして不調が発生することがあります。
【なぜ脳疲労が起こるのか】
「脳のオーバーヒート」=「脳疲労」と呼ばれる状態は、脳が発熱して動きが鈍くなり、体内のコントロールが乱れて体温や心拍、呼吸、血圧の調節がうまくいかないことで、発熱、のぼせ、倦怠感、頭痛、めまいなどの不調が現れることです。
脳は自律神経を通して筋肉や臓器など体内のすべての器官の動きをコントロールしています。
自律神経の働きは生命活動の維持に不可欠なため、24時間365日休息することなく働き続け、常に発熱している状態です。
自律神経に負荷が掛かればそれだけ脳の発熱量も増えますが、外気にさらして冷やすことができませんから発熱が抑えきれないと頭の中に熱がこもってしまい、上記のような不調を発生させるのです。
【脳疲労の主な要因】
1,環境の要因
これから暑い日が多くなると、体温調節のために自律神経が酷使されるため脳の温度が高くなります。
2,情報過多
情報を脳が処理しきれない状態が続くことも脳疲労の要因となります。
長時間集中しての仕事や勉強、ゲームやスマホ、ネット依存もこの状態になりやすいと言われており、逆に集中力とパフォーマンが低下しますので良い影響はありません。
3,ストレス過多
精神的なストレスだけでなく、過労や肉体疲労による身体的なストレスは自律神経中枢の負荷を大きくし、脳が発熱しやすくなります。
【脳疲労の予防策】
◎気温が25度以上になると温度が1度上昇するごとにパフォーマンスが2%低下するという報告があるくらい、脳に合わせた環境づくりが大切です。
脳が機能を発揮しやすいのは22~24℃と言われており、特に集中して何かを行う時は脳のオーバーヒートを防ぐためにも少し涼しいと感じるくらいの室温がいいでしょう。もちろん身体を冷やすことも不調の原因となりますので1枚羽織ることを忘れずに。
◎長時間同じ姿勢を続けると血液循環が悪くなり、自律神経の負荷に繋がります。
水分をこまめに摂ることで血液の流れを促進し、いつもよりトイレに行く頻度を上げて立ち上がる機会を増やすようにしましょう。
少し身体を動かすことは気分転換にもなりますし、脚の筋肉を動かすと血流が良くなり、脳に酸素と栄養がきちんと供給されるようになります。
◎バランスの良い食事は身体だけでなく脳にも良い効果をもたらします。
特に脳疲労の原因となる酸化を防ぐ抗酸化作用のある食材を摂ることをお勧めします。柑橘系の果物に含まれるクエン酸、食肉(特に鶏むね肉)や魚肉などに含まれるイミダゾールジペプチドは脳機能の改善に効果があるとされています。
現代社会特有の情報過多やストレスが原因で脳がオーバーヒートして自律神経が乱れてしまう状態。
放っておくと心身に影響が出ることもあり、認知症を発症する危険度を高くするとも言われています。
これから夏を迎える中、熱中症対策と併行して今回紹介した脳疲労予防策を実行し、若々しく元気な脳を維持しましょう。